Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

スタッフブログ

右大腿部の痛み その1 (本日のロアン鍼灸整骨院の施術から)

新患さんで、右の大腿部の痛みを訴える方がいらっしゃいました。 
この方は脳出血の後遺症で、右半身が麻痺しています。

問診
10年ほど前に脳出血。その後、右麻痺が残った
1週間程前に電車内で転倒後、2日後に右大腿外側及び前面に痛みが出現するようになった
元々、麻痺側に痛みは感じていなかった(麻痺がある場合、視床痛という脳のエラーで痛みを感じる方がいる)
転倒前は、特に身体の痛み等なく過ごしていた
手術歴はなし
骨折等の外傷の既往なし

触診・徒手検査
麻痺側の感覚は健側に比べ鈍いが、触診・痛覚共に感じる
右股関節の運動により痛みの増悪なし
右片足荷重での増悪なし
体幹の運動により若干の増悪
左寛骨後方回旋
仙骨 左斜軸左回旋病変
恥骨 左上方変位
第5腰椎 屈曲・左回旋・左側屈病変
第2腰椎 左回旋・右側屈病変

大腿部周囲の痛みは色々な原因で生じます。
例を挙げれば、
股関節の障害
腸腰靭帯のスパズムによる関連痛
仙腸関節からの関連痛
大腿部上部筋や腸腰筋のトリガーポイントによる関連痛
上部腰椎の神経根症
など、様々です。

検査としては、上記と照らし合わせて調べていきます。
検査の結果、股関節や骨に異常はないようです。
麻痺している人は転倒により、大腿骨の頚部骨折を生じる事があります。
不全骨折(骨にヒビが入る)だと、痛くても歩けてしまうのです。また、麻痺側は感覚が鈍いので、特に注意が必要です。

この方の場合は、骨盤の仙腸関節や上部腰椎の病変や痛みの場所から、腰神経叢経由の痛みが考えられました。
腰神経叢は大腿周囲を支配しています。 転倒の結果、骨盤・腰椎に変位が生じ、腰神経叢に影響を与え、大腿部周囲に痛みを出している、または、元々変位があったが、代償されていたため症状は出ていなかったが、転倒と言う外力を契機にバランスが崩れ、症状が出現したのではないか、と考えた訳です。

実は、結果的にこの考え、少し間違っていました。

麻痺があるため上記検査部以外では、不正確な結果となる検査も結構あり、
症状と繋がる1番の原因(プライマリー病変)を考える前に、とりあえず症状の緩和を図るため骨盤と腰椎の施術を行いました。

施術(オステオパシーマニピュレーション)
オステオパシーマニュピレーションには様々な種類のテクニックがあります。
ただし、この方の場合は麻痺があるため、使用できないテクニックもあります。
マッスルエナジーテクニック(MET)は、麻痺の人には向いていない代表格でしょう。
マッスルエナジーテクニックとは、アメリカのフレッド・ミッチェルD.O.によって考案された、関節に対するテクニックです。
とても優れたテクニックで、日本の病院内の理学療法の現場でも、その原理が使用される場合があります。
ただし、マッスルエナジーという言葉通り、患者さんの筋肉の収縮を利用して行うテクニックですので、麻痺している筋肉には使えないのです。

続きます。

中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長