Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

院長ブログ

オステオパシーセミナー受講 (オステオパシーについて)

セミナー・その他

私は毎月1~2回、オステオパシーを学ぶために主に神戸に行っています。
私が所属するオステオパシー団体である、JOPAの本部が神戸にあるからです。

セミナーのまとめに時間が掛ってしまい、最近ブログが手つかずになっています...

今回はオステオパシーセミナー受講、とくにオステオパシーって何?についのブログです。
日本では知名度があまりなく、また、オステオパシーに対して
懐疑的な意見を持つ方もいらっしゃいます。
そのような方々に、少しでも本来のオステオパシーというものを知っていただけると
幸いに思います。

オステオパシーは、アメリカの医師であったA・T・スティルが提唱した医学体系です。
アメリカではオステオパシーを行えるのは医師(ドクターオブオステオパシー D.O.)
のみであり、当然医師ですので、手術・投薬など全ての医療行為が認められています。

簡単に言えば、特殊な徒手療法もマスターしている医師です。

アメリカのオステオパシー医師はオステオパシーの哲学の元に、
徒手療法、手術、投薬等の医療行為を行います。

その哲学とは、
人体は一つのユニットとして存在し、
その機能と構造は相互に関連し合い、
本来人間には自然治癒力と自己調整を行う力を備えている。

これが、オステオパシーの根底にある哲学です。

言うまでもなく、
アメリカには一般の医師(メディカルドクター M.D.)も多数います。
こちらの医師は日本同様、内科や外科などに分かれ、
それぞれの分野に特化した医師たちです。

オステオパシー医師は、
一人の人間を内臓や手足など体の部位を区切って診る事はしません。
それは先ほど述べたオステオパシーの哲学に反する事であり、
オステオパシー医学ではなくなってしまうからです。

常に身体全体の繋がりを考えて診察と治療を行います。

逆に一般の医師は、内臓、骨、脳などそれぞれ単独で身体を診て行きます。
そのため、整形外科、内科、眼科、泌尿器科など多数の診療科目が存在します。
つまり局所を診て行く医学なのです。
また、症状に対して治療を行う対症療法ですので、アロパシー医学といわれます。

アメリカには2種類の医師(D.O.及びM.D.)が存在し、
2種類の医学(オステオパシー医学とアロパシー医学)があるという事です。

身体の全体的な調和を図り、人間本来の自己調節機能を発揮させ、
症状や病気を治すのがオステオパシー医であり、
局所に特化した知識と技術で、症状や病気を治すのがアロパシー医と言えるでしょう。

お互い長所と短所がありますが、医療選択の幅が広い事は、患者にとって良い事です。

ちなみにトランプ前大統領が新型コロナウィルスに感染した際、
治療にあたった主治医はオステオパシー医でした。

よく、オステオパシーってなんですか?と聞かれるのですが、
端的に言えば、
(哲学であり科学であり技術である)
という言葉がぴったり当てはまりますし、少し詳しく説明すると
(身体の各部位の構造・機能、及び身体を構成する組織同士の関係に関する知識であり、
身体が調和して働くことを妨げる全てのものに対し調整・矯正するために用いられる)
これもぴったり当てはまります。

一つ言える事は、オステオパシーと言うのはテクニックの名前ではないという事です。

今、症状を訴えている身体を、
統一体として解剖学・生理学の知識の上で、
良く訓練された手で触診し、
症状の本当の原因を探し出し、
その原因を解放するために、最適なテクニックを行うという事です。

そのテクニックには手技療法以外に
投薬、外科手術等全ての医療行為が含まれるという事です。

日本ではオステオパシーは医療行為として認められていませんので、
私達のような日本でオステオパシーを学ぶものは、
オステオパシー哲学を中心に、
詳細な解剖学・生理学、そして特殊な様々な手技療法を学ぶのです。

そして、オステオパシー哲学に則り、
手技療法、さらにはビタミンやミネラル等の経口からの摂取、
鍼灸の資格を持つ者は、合理的に鍼を使う事もあります
(アメリカのオステオパシー医の中にも鍼を使う医師がいるようです)。

これが本来のオステオパシーの姿です。

ただ、日本では、オステオパシーに懐疑的な施術者も多数います。
それは、オステオパシーのテクニックを1つだけ学び、
(オステオパシーを習ってやってみたけど効果がなかった)
と勘違いしている人達でしょう。

オステオパシーを行うには、
哲学を理解し、解剖学を理解し、身体の詳細な変化を感じるための触診の訓練を行い、
その感度が増した手をもって身体の評価を行い、
その評価に対して、多数のテクニックを身体の状態に応じて使い分け、
時には解剖学・生理学を基に、自分で創意工夫を行うことが必要です。

オステオパスは、患者さんの心と体の健康を回復させるために、一生涯学び続けるのです。




東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長