Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

院長ブログ

ジャン・ピエール・バラルD.O. による胸郭内臓セミナーへの参加。

セミナー・その他

5月3,4,5,6日に神戸で行われた、ジャン・ピエール・バラルD.O.の胸郭内臓セミナーに参加して来ました。 実に内容の濃いゴールデンウイークとなりました。 

ジャン・ピエール・バラルD.O.はオステオパシーの世界ではレジェンドクラスの1人です。

ジャン・ピエール・バラルD.O.

ジスリーヌD.O.



パリ医科大学オステオパシーマニピュレーション学科にて、ディレクターおよび講師を務め、 グルノーブルのオステオパシー医大内臓マニピュレーション学科長、北パリ大学医学部の内臓マニピュレーション学科長、そしてセント・エチエンヌの国際オステオパシー・カレッジの教育ディレクターを務められています。 ジャン・ピエール・バラルD.O.は各々の内臓が生理的軸を中心に回転するという革新的な理論に基づく内臓マニピュレーション(Visceral Manipulation)を開発しました。
現在、世界各国で行われている内臓マニピュレーションはバラルD.O.のテクニックがベースとなっております。

内臓マニピュレーションとは内臓実質や壁側、臓側の腹膜・胸膜、神経、血管に対するアプローチです。

例えば胃腸が悪いからと言って、胃腸の施術を行うという単純なものではなく、全身の筋膜のつながりから、臓器同士の膜によるつながり、血管や神経のつながり 脊柱とのつながりなどを検査・評価し、インダクションという特殊な方法で整体及び矯正(リリース)していきます。

例えば、あなたに腰痛があったとします。 そして、検査・評価の結果、横隔膜に制限があり、心臓の右(静脈付近)および腎臓に制限を認めたとします。

横隔膜には大静脈孔という穴があり、ここは下大静脈(これは足や腰静脈という腰からの静脈を受ける大きな静脈です)が通過します。
心臓の右にある右心房には上大静脈、下大静脈が開口します。
横隔膜に制限があり、硬くなることで大静脈孔にテンションがかかり、下大静脈の流れが悪くなります。
また心臓の右、下大静脈付近の制限も同様に、静脈の流れの悪化をおこします。

下大静脈は腰静脈が流れ込んでいるので、腰の静脈還流も悪化します。 腰静脈の還流悪化は腰部に老廃物が溜まり、動脈の流れも悪くなる為、腰部への酸素と栄養の供給は悪化します。
これが、腰痛の原因となります。

腎臓の制限もまた、腰痛の原因となります。
腎臓は大腰筋の上で膜を介してスムーズに動けなければいけません。 腎臓の後ろには、腰神経叢が大腰筋部に存在しています。腎臓が固着による制限を起こすと、大腰筋や腰神経叢を刺激し腰痛や股関節周囲の痛みを起こします。

つまり、この場合の腰痛は、横隔膜と下大静脈、腎臓の制限に対し施術しなければならないという事です。

今回のセミナーでバラルD.O.の深い解剖学・生理学の知識、そこに基づいた発想とテクニック、そしてなにより、哲学と実際の施術を経験できたことは、大変貴重でした。

東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長