その他の痛み・障害
妊娠中の腰痛・坐骨神経痛 その1 (本日のロアン鍼灸整骨院の施術から)
(患者)
33歳 女性
(主訴)
腰痛及び右臀部から右大腿後面にかけての鈍痛
歩行時には痛みが憎悪する
(既往歴)
22歳 右側胸部脂肪腫切除
この方は現在妊娠8ヶ月の妊婦さんです。
1ヶ月程前より腰痛が出現し、
2週間程前より坐骨神経様の痛みが右足に出現。
歩くと足の痛みは強くなり、
やや足を引きずる感じになってしまうとの事。
妊娠中は赤ちゃんが大きくなるにつれ、
リラキシンというホルモンの影響で骨盤の関節である
仙腸関節や恥骨結合が弛緩したり、
腰椎の前弯が過剰になり姿勢に変化が生じます。
そのため、腰痛や坐骨神経痛といった症状を呈する事がよくあります。
また、静脈の圧迫による足の(むくみ)や(だるさ)なども多く見受けられます。
(アライメント)
骨盤前傾位
腰椎過前弯
(理学的徒手検査)
体後屈時に下位腰椎を中心に痛みあり
体前屈時に背中および腰が張る感じ
知覚検査正常
筋力低下なし
SLR疑陽性
Kボンネットテスト陽性
この方の姿勢は骨盤が前に倒れ、
腰の反りが強くなっていました。
この姿勢では常に腰の関節は圧迫を受けているので
腰痛の原因の1つになるでしょう。
ただ、赤ちゃんがお腹の中にいるので
この様な姿勢になるのは当たり前なのですが、
腰痛が出る人と出ない人の差は何故生じるのでしょうか?
これは次に行うオステオパシーによる全身評価で判明する事があります。
坐骨神経痛様の痛みに対しては、
本当に坐骨神経の影響なのか、
坐骨神経の影響であれば、
どの辺りが原因で神経痛を出しているのかを調べる必要があります。
これを調べるのが知覚や筋力の検査、
SLRやKボンネットテストです。
結果はSLRが擬陽性、Kボンネットテストは陽性。
SLRは一般的には坐骨神経を伸張させるテストです。
陽性であればヘルニアなどによる坐骨神経痛の関与が疑われます。
この方の場合はエンハンステストというSLRの変法を行うと
症状が軽度でありますが出現するようです。
ただ、明らかではないため疑陽性としました。
Kボンネットテスト陽性は梨状筋というお尻の筋肉が
坐骨神経を刺激している事を示しています。
尚、梨状筋が関与する坐骨神経様の痛みは
膝より下には行かない特徴があります。
以上の検査で腰痛と坐骨神経痛様の痛みの
大まかな原因が分かりました。
ただし、
これだけでは本当の原因にアプローチする事は出来ません。
先程記した様に、
同じ姿勢の妊婦さんでも痛みのある人とない人がいます。
その差は何なのでしょう?
その差こそが本当の痛みの原因なのです。
その差をを調べるのが次に行うオステオパシーによる全身評価です。
その2に続きます。
東京・中野の整体・整骨・鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長