Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

院長ブログ

妊娠中の腰痛 坐骨神経痛 その2 (本日のロアン鍼灸整骨院の施術から)

その他の痛み・障害

その1の続きです。

 

理学的徒手検査が終了しましたので、

その次にオステオパシーによる全身評価を行ってきます。

この評価が症状の本質に迫るため重要となります。

 

(オステオパシー的評価)

仙骨変位

右腸骨前方回旋変位

右股関節制限

梨状筋部過緊張

傾聴にて肝臓の制限

 

オステオパシー的な評価は、

主に筋膜の特性を利用して身体の制限箇所を調べていきます。

その他、身体のランドマークの左右差を比べたり、

直接関節を動かして関節の制限を調べたりもします。

このようにあらゆる方法で筋肉・骨・関節・臓器等、

身体の全ての箇所を調べ、

その情報を元に解剖学・生理学に照らし合わせ、

症状を出している本当の原因を探し出すのです。

 

この方は骨盤を構成する骨である仙骨と右腸骨の変位があり、

そのため骨盤の関節に制限を来たしていました。

右腸骨の変位により右股関節の関節制限が生じ、

そのため梨状筋に過緊張を出しているのでしょう。

そして梨状筋の過緊張が坐骨神経を刺激しているのです。

また肝臓を包む膜の制限がありました。

肝臓は横隔膜に肝冠状間膜で直接付着します。

横隔膜には左右にの脚があり、

右は第3腰椎 左は第2腰椎に付着し

更に尾骨や仙骨に膜状組織に変化し付着しています。

つまり肝臓の制限が直接腰椎や骨盤に影響を与える、

もしくは骨盤の変位が肝臓に影響を与える可能性があるという事です。

赤ちゃんが母体で大きくなるにつれて

臓器はお腹の中で押されますので、

この様な事が起きても決して不思議ではありません。

そして肝臓の裏には下大静脈が通過しています。

下大静脈は足や腰の静脈血を集めて心臓に還す通路です。

肝臓の制限により下大静脈の流れが正常でなくなれば、

当然腰部及び足の血流は悪化します。

この事が腰痛や坐骨神経痛様の症状を助長している可能性があります。

因みに、この方の肝臓の上に手を置き右足を持ち上げると、

理学的的徒手検査で疑陽性だったものが、

本人もビックリするくらい痛みなくスムーズに持ち上がりました。

これは神経反射を利用した抑制法ですが、

この事により肝臓が症状に関与している事が強く示唆されます。

 

(施術 オステオパシーによる整体・矯正)

上記制限箇所をリリース

梨状筋に対しては鍼にてスパズム除去

腰部静脈(硬膜静脈叢含む)リリース

 

ロアン鍼灸整骨院では、

オステオパシーのテクニックに鍼灸を併用する場合があります。

骨盤の変位と股関節の調整を行うと、

梨状筋のスパズムは軽減しますが、

更に効果をアップさせるために、

直接鍼にて筋肉の緊張をとりました。

鍼のみでも筋肉の緊張は軽減できますが、

筋過緊張の原因である骨盤と股関節の変位を除去する事によって、

鍼の効果が飛躍的に向上するのです。

また、腰部の静脈に対してのアプローチも行いました。

これは炎症や痛み起こしてる物質や老廃物を流し、

症状の軽減と組織の修復を向上させるためです。

この方の場合、1回目の施術で歩行時痛はなくなり、

症状は多少戻りながらも3回の施術で

腰痛及び坐骨神経様の症状は消失。

施術終了後、「出産後の骨盤矯正も是非施術して欲しい。」

とおっしゃって頂きました。

勿論その際も頑張らせて頂きますが、

まずは元気な赤ちゃんが産まれる様応援しています!

 

東京・中野の整体・整骨・鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長