Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

院長ブログ

腰から足にかけての痛み(本日のロアン鍼灸整骨院の施術から)

坐骨神経痛・ヘルニア・狭窄症・胸郭出口症候群など

2週間ほど前に腰痛及び左臀部、左大腿部内側痛の訴えで来院された方が、
再診でいらっしゃいました。
初診時に1カ月程前より症状が続いているとの事でした。

腰から下肢にかけての症状では、
ヘルニアや神経の出口に問題が生じる神経根症などが疑われます。
大腿の内側の痛みは、第2腰椎付近の神経の障害で生じる事が多く、
臀部の痛みは第5腰椎や仙骨の神経の障害で生じる事が多くあります。

ただ、L2とL5のように離れた腰椎の神経が
それぞれ圧迫されるような事はめったにありません。
この場合、怪しいのはL2です。
臀部の痛みはL5神経や仙骨神経でも生じますが、
その場合、多くは膝下の痛みも生じるからです。
この方の臀部の痛みは、腰痛もあるので、
腰椎の椎間関節や筋膜上のトリガーなどによる関連痛と考えた方がよさそうです。

このように、問診や痛みの部位から、何が起きているかを考えます。
その考えに基づき、徒手検査を行い、本当にそこに問題があるかの確認をします。

そこで、この方のL2に領域の理学的徒手検査を行った所・・・ 陰性でした。

実は、腰から下肢にかけての症状で、徒手検査が陽性にならない場合が結構あるのです。
腰の構造は複雑で、周辺組織と密接に関係しています。
神経も教科書通りの単純な走行ではなく、
一回脊柱の外にでて、また戻り脊髄硬膜を支配する神経なども存在します。
言い換えれば、腰を構成する全ての組織が、腰痛や下肢痛に関係する可能性があるのです。

そのため、理学的徒手検査やレントゲンやMRIなどの画像診断で
原因が不明の痛みが数多く存在します。
これらの検査は万能ではなく、数多く存在する原因の一部しか解らないのです。

人間の身体はそんなに単純ではないという事ですね。

では、どうすれば良いのか?
私は理学的的徒手検査を、あくまでも参考程度に考えています。
例えば、腰椎ヘルニアの徒手検査で有名なSLRという方法があります。
足を拳上させ、足の痺れの再現があるかを調べます。
足を挙げると神経が伸長されますが、ヘルニアがあるとそれが刺激となり、
足に痺れが出現するのです。
そして多くの施術者は 、その検査結果から
ヘルニアの部位を中心に鍼なり徒手療法を加えるでしょう。

私がこの検査を参考程度に考えているのは、
ヘルニアの本当の原因を探し、施術を行う事が大切と考えているからです。
局所のヘルニアの存在が解ったとしても、なぜヘルニアになったのかは解りません。

そのため、オステオパシー独特の身体の膜の評価を重要視しています。
身体は1枚の膜で覆われています。
その1枚の膜が組織を包み、折れ、そしてまた繋がり、
骨、筋肉、内臓、血管そして神経の一本一本まで覆っています。
膜の評価を行い、テンションの高い所を見つけるのです。
そしてそのテンションの解剖学的な繋がり、膜の連鎖を考え、
本当の原因にアプローチします。
そして必要であれば、ヘルニアの周囲にもアプローチを行います。

この方の初診時に於ける膜の評価は、
股関節と下行結腸からS状結腸にかけての制限が強く存在していました。
理学的的徒手検査で、ヘルニア、神経根症状の疑いはなかったため、
上記をメインにオステオパシーマニュピレーションによる整体・矯正を行いました。
そして、整体・矯正後に次回の予約を2週間後にとって頂きました。

結果からいうと、整体・矯正後2~3日で症状は消えたとの事。
症状はありませんでしたが、更に体がバランスを取れるように、
予防的に骨盤を中心に整体・矯正を行い終了しました。

検査の結果が陰性でも、症状があるなら、別の検査法で調べてみる事も大切です。

東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長