坐骨神経痛・ヘルニア・狭窄症・胸郭出口症候群など
脊柱管狭窄。
この病名を聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
ロアン鍼灸整骨院でも脊柱管狭窄の患者さんが来院されています。
今回は脊柱管狭窄症、特に腰部脊柱管狭窄についての病態や施術法などを説明して行きたいと思います。
(症状)
腰痛 下肢の痛み・痺れ 腰痛の訴えはなく、下肢症状のみの方も多くいらっしゃいます。 また、下肢の症状は立位や歩行、腰を反った時に悪化し、
座ったり前かがみになると症状が改善します。
歩行時に下肢の症状が悪化し、前かがみで休むと軽快する事を間欠性跛行といい、
脊柱管狭窄症の特徴でもあります。
(病態)
背中の骨には脊髄が通過する(脊柱管)という骨性のトンネルが存在します。
この脊柱管を通過する脊髄は、腰椎の1~2番以下では馬尾神経と呼ばれます。
馬尾神経は馬の尻尾の毛の様に神経が分かれるので、このような名前が付いています。
この脊柱管が狭くなるのが脊柱管狭窄症です。
先天的に脊柱管が狭い人もいますが、
その他、脊柱管が狭くなる原因として
椎間関節の変形や肥厚、骨棘、黄色靭帯肥厚、脊椎すべり症、椎間板ヘルニア
などが関係します。
脊柱管狭窄症には3つのタイプが存在します。
坐骨神経型・馬尾神経型・混合型です。
(坐骨神経型)
坐骨神経痛様の症状を訴えます。
脊柱管自体の狭小は少なく、椎間関節の肥厚や変性が主体です。
椎間関節の変性は、脊柱管の周囲の靭帯である後縦靭帯や黄色靭帯の変性につながり、
脊柱管周囲組織による狭小を引き起こします。
特に後縦靭帯は椎間関節の前方の関節包を構成しているため、
変性による影響は強くなります。
(馬尾神経型)
先天的に脊柱管自体が狭い場合や、
加齢や繰り返しの腰に対するストレスによる骨の増殖による骨性の狭小化です。
骨自体の問題で狭小化しているので、
保存療法では改善しないという論文も見受けられます。
症状は痛みよりも腰部から下肢にかけての痺れなどの異常知覚が主体となります。
(混合型)
坐骨神経型と馬尾神経型の混合タイプです。
腰部脊柱管・足の痺れの原因は?
脊柱管狭窄では脊柱管と呼ばれる背骨のトンネルが、
骨性または軟性の変化により狭くなり神経が圧迫されて、
足に痺れが出現すると説明される場合がありますが、
実際にはほとんど場合、直接的に骨が神経を圧迫している訳ではありません。
腰部の神経は馬尾神経であり、脊柱管が狭まっても、
束ねられた毛が自由に動くのと同じように、
神経は脊柱管の中で動く事が出来るからです。
では、なぜ骨が神経を圧迫していないのに痺れが出現するのでしょうか?
立位や歩行時など腰部の伸展により、
神経を囲んでいる硬膜の外圧が上昇すると、
脊柱管の中にある静脈(内椎骨静脈叢)は脊柱管の狭まりの影響を受け閉塞します。
この結果、内椎骨静脈叢へ流出するはずの馬尾神経や神経根の静脈が、
内椎骨静脈叢へ流出できなくなり、硬膜内(馬尾)の静脈がうっ血します。
それに伴い動脈血の硬膜内への流入障害により、
神経根の虚血が生じ、間欠性跛行を中心とした下肢の異常知覚が生じます。
その2に続きます。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長