頭・首・肩・背中の痛み・障害
(患者)
40代 男性
(主訴)
首から肩、背中にかけてコリ感が強い。
この人は、2か月ほど前、同様の症状で来院された方です。
コロナ禍において在宅ワークになってから、
以前から感じていた症状が悪化したためでした。
2か月前よりも快調だが、最近また辛くなりそうで来院したとの事でした。
在宅ワークでこのような症状が悪化する人は結構多くいらっしゃいます。
デスクワーク中心の人は、仕事中の姿勢に気を付けていないと、
大なり小なり不良姿勢を呈します。
分かりやすい不良姿勢がいわゆる(猫背)です。
長年、会社の机と椅子に合わせてコツコツと作られた(猫背)が、
今度は家庭での机と椅子に合わせた(猫背)へと変化して行くため、
症状が強く現れるのでしょう。
さらには、(コロナがいつまで続くのか?)(外出を控えなければ・・・)
などの漠然とした精神的な不安感も症状を悪化させる原因となります。
以前のブログにも書きましたが、
脳は肉体的ストレスと精神的ストレスを分けて感じておらず、
精神的な問題が肉体に悪影響を与え、肉体的な問題が精神に悪影響を与えるのです。
(既往歴)
特になし
(現病歴)
特になし
(姿勢アライメント)
骨盤及び腰椎のアライメントは悪くないものの、
胸椎の後弯が減少し、頚椎下部の過後弯、上部の過前弯がみられる。
普通の猫背姿勢では胸椎過後弯し、
頚椎がストレートネック的に変化しているのですが、この方は少し違います。
首だけが前に変位しているような状態です。
実は2か月前の状態に近づいていました。
(理学的徒手検査)
肩関節の可動域正常。
ジャクソンテスト・スパーリングテストなどの神経根テストは陰性。
普段上肢症状はないが、左モーレーテストで左上肢に放散痛を生じる。
斜角筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋上部線維・後頭下筋群の過緊張あり。
(オステオパシー的評価)
左3・4・5前方肋骨
右4・5胸肋関節制限
傾聴にて左胸部に制限
この方の身体で大きな制限を感じたのは、左の胸部でした。
そこで呼吸を調べてみると、吸気で肋骨の広がりが不良でした。
肋骨の動きも残念ながら、2か月前とほぼ同じ状態に戻っていました。
この状態では、肋骨の動きの悪さにより息を吸う時に十分肺が膨らめません。
猫背姿勢では、通常首の前にある胸鎖乳突筋や斜角筋、
首の後ろの後頭下筋群、僧帽筋上部線維は過緊張を起こします。
この方は首・肩・背中のアライメント不良によるそれらの筋の過緊張と、
肋骨の動きの悪さを上記の筋肉で代償して筋過緊張をさらに悪化させ、
肩こり・首こり・背中のこりを出現させています。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
左3・4・5前方肋骨の矯正
右4・5胸肋関節の矯正
胸膜のリリース
左肺斜裂のリリース
横隔膜リリース
頚椎OA C5スラスト
過緊張筋リリース
吸気時に胸郭が広がる事が出来る事を第1に考えての整体・矯正です。
呼吸は肩こりなどの症状に関係ないと感じる人も多いと思います。
ただ、この方の場合は肋骨が正常に機能していない事により
筋肉が過緊張を引き起こしているという事と、
呼吸が浅くなることにより血中の酸素濃度が低下し、
身体の代謝を低下させ、それが症状の悪化に関与するからです。
結果はいい感じでした。
そして、胸郭を広げる体操やデスクワーク時の姿勢等も指導させて頂きました。
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東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長