セミナー・その他
慢性的な首や肩のこりを訴える方が、日本には約1000万人いると言われています。
ロアン鍼灸整骨院にも、肩こりで悩む方が多数来院されています。
このように多数の方が悩んでいるということは、一般的な肩こりや首筋のこりに対する施術(局所的な鍼灸や電気治療、マッサージ・ストレッチなど)は有効な解決策になっていないと言う事かも知れません。
なぜ、肩こりや首筋のこりが治りにくいのか?
それは筋肉のみに注目しているからです。
一般的には、過剰な筋肉の収縮が血行を阻害した結果、筋肉内に老廃物をため込み、また新鮮な栄養と酸素供給も低下し、筋肉の生理学的機能が低下したしたために生じると考えられています。
そのため、施術者は筋肉に対して鍼灸・電気・マッサージ・ストレッチを行います。
その時は筋肉が緩むので、老廃物等が流れ去り楽にはなりますが、すぐに元の状態に戻ってしまいます。
それではなぜ過剰に筋肉が緊張してしまうのでしょう?
姿勢の問題?
姿勢の問題も肩こりの原因に対してよく用いられる説明です。
猫背姿勢の人は、肩甲骨が外転・下方回旋位になり外に流れ、肩こりの筋肉である僧帽筋の上部繊維が過緊張します。
また頭が前方に出るために、首の筋肉が過緊張を起こします。
この状態は上部交差症候群といわれ、首と肩、胸の筋肉のアンバランスより生じます。
そのため、ストレッチと筋力トレーニングが効果的と言われています。
しかしながら、この姿勢の問題もなぜ姿勢が崩れ、筋肉のアンバランスが生まれたかを説明していません。
筋肉がなぜ過剰に収縮してしまうのかを掘り下げて行くと、その人のもつ本当の問題に突き当たります。
そして、それは人によって違います。
筋肉が常に過剰収縮していると言う事は、異常な神経反射が生じていると言う事です。
ではなぜ異常な神経反射がおきるのでしょう?
頚椎や胸椎の動きが悪いと、動きの悪い部分が日常動作などの些細な事にも過敏に反応し、頚椎や胸椎から出る神経が興奮し、その神経が支配する領域の筋肉を過緊張させます。
また、頚椎や胸椎の動きの悪さの原因は、内臓からの求心性刺激かも知れませんし、骨盤や下肢からのバイオメカニカルな問題を受けているのかもしれません。
肋骨の問題も胸椎に影響を与えます。
特に肋骨と胸椎の関節である肋椎関節は、その前面に交感神経の束が存在しています。
肋骨と胸椎の問題で交感神経が過敏になれば、その交感神経が支配する領域の筋肉の血管を収縮させ、緊張を生じさせます。
また、頭蓋骨や頭蓋骨内の問題も、自律神経系の中枢が視床下部にあるため、大きな影響を与えます。特に身体が常に過緊張している人に多く見受けられます。
肩こりや首筋のこりに対する内臓の問題では、心臓や肺の膜が原因になることもあります。
心臓は心膜椎骨靭帯により、頚椎と繋がっていますし、肺は胸膜により頚椎や肋骨と繋がっています。
同様に肝臓なども肝臓が付着している横隔膜から胸膜を介して肩や首に影響を出します。
このように肩こりや首筋のこりの原因は多岐にわたります。
決して筋肉単独の問題ではないのです。
まず、全身を評価し神経や結合組織の解剖学的な繋がりの中から、肩こりや首筋のこりの原因を特定し施術を行うことが必要となります。
では、どうすれば良いのか?
答えの1つにオステオパシーがあります。
オステオパシーには、原因を追究し施術を行うために全身を評価する様々な方法と、身体の全ての部分(筋肉・骨・関節・内臓・神経・血管など)に対する様々なテクニックが存在します。
筋肉や姿勢に対するマッサージやストレッチ・筋トレなどはその後に行うべきです。
原因が解決していないのに、表面だけ施術しても仕方ありません。
それは、蛇口を捻って水が出ない時、水をくみ上げるポンプが故障しているのに、蛇口の交換だけするのと同じだからです。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長