腕の痛み・痺れ
午前中に来院されたレントゲン上、首の骨の間(C6 C7)が狭くなっていると診断を受けた患者さんです。
整骨院で首の牽引、電気治療、マッサージを受けていましたが、あまり改善されていないとの事。
腕の痺れと痛みは、腕の後面、特に肘より下の後面が特にひどく、示指、中指にも出ています。
腕の痺れを生じさせる疾患には以下のようなものがあります 。
・頚椎ヘルニア 骨と骨の間にある椎間板の中にある髄核と言うゼリー状の物質が飛び出して発症します。頚椎は鈎状突起という突起が椎間板を覆うため、腰部に比べるとヘルニアは少ないです。
・胸郭出口症候群 首から胸にかけての筋肉である斜角筋・鎖骨下筋・小胸筋の過緊張で神経や血管が圧迫されて発症します。血管も同時に圧迫される事が多く、腕のむくみや冷感などを伴う事も多いです。
・頚肩腕症候群 検査の結果特に原因が見つからない(実際は原因がありますが、画像診断や徒手検査では発見できないもの。内臓の膜や胸膜などに原因がある事が多いです)痺れです。 首から肩、腕の痺れに対するバスケットネームです。
・頚椎症性神経根症 首の骨は鈎状突起といわれる突起があり、ここで、胸椎・腰椎にはみられないルシュカ関節という特殊な関節を形成しています。頚椎はルシュカ関節を形成しているため腰に比べヘルニアにはなりにくいのですが、代わりにルシュカ関節の変性を生じる事があります。 変性した関節が周りの組織を圧迫し、神経の出口で神経の絞扼を起こします。
腕の痺れと痛みがどこから来ているのか、
ロアン鍼灸整骨院では、徒手検査と膜やメカニカルな評価から調べていきます。
(理学的徒手検査)
ジャクソンテスト、スパーリングテスト
これは、首の骨の神経の出口を狭めるテストです。神経根症などで陽性となります。結果は陽性で、テストを行うと痺れが再現されました。
モーレーテスト
首にある斜角筋と言う筋肉を圧迫するテストです。胸郭出口症候群のテストの1つです。前斜角筋と中斜角筋の間で首から腕に行く神経の束である腕神経叢が絞扼を受けていると陽性になります。結果は陽性。
拳上負荷テスト
手を挙げてグーパーさせるテストです。これも胸郭出口症候群のテストの1つです。 血管などに絞扼があると痺れが増します。結果は陰性。
アレン・アドソン・ライトテスト
橈骨動脈の拍動を診るテストです。テストで陽性になれば、鎖骨下動脈の絞扼が斜角筋・鎖骨下筋・小胸筋のいずれかにあるという事です。胸郭出口症候群のテストですが、ロアン鍼灸整骨院では、胸部から頚部での膜の付着部での固着による、血管の圧迫を調べるために行う事があります。ちなみに、ライトテストで陽性では、鎖骨下動脈の分岐である椎骨動脈の血行状態が悪くなっている可能性があり、運動を司る小脳などにも影響が出ている場合があります。 結果はライトテスト陽性
筋力検査・腱反射・知覚検査
筋力は正常 腱反射は三頭筋反射が若干の減弱 知覚はC7領域に異常あり
(オステオパシー的評価)
第6第7頚椎間に関節の制限
第4第5胸椎に制限 硬膜に強いテンション
心膜背面に制限
肝臓の左三角間膜に制限
骨盤の仙腸関節に制限
斜角筋にテンション
腕神経叢にテンション
胸膜の堤靭帯にテンション
上腕動脈にテンション
続きは次回。おやすみなさい。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長