腰・骨盤・股関節の痛み・障害
ギックリ腰を起こした方が、ご紹介により来院されました。
(患者)
30代 女性
(主訴)
1週間から激しい腰痛
(既往歴)
小児喘息
(現病歴)
PMS症候群
(姿勢アライメント)
腰椎前弯減少
(理学的徒手検査)
腰部全ての可動域が痛みの為減少
神経学的下肢症状なし
定期的に健康維持のために通院されている方のご紹介で、ギックリ腰の女性がいらっしゃいました。
腰痛ベルトをしっかり巻いても痛いようで、歩行もぎこちない感じです。
椅子からの立ち上がりやベッドからの起き上がりが非常に困難との事。
整形外科では画像上問題ないとの事でした。
ただ、1週間たって多少よくなったものの、強い腰痛が治まらず、仕事にも支障をきたしている様子です。
治りが悪い腰痛には、内臓などの関連痛がありますので検査をしましたが陰性でした。
お話を聞くと、数年に1度このようなギックリ腰のような腰痛が出現するとの事でした。
ギックリ腰は物などを持ち上げた時に急激に生じる激しい腰痛ですが、この方は特に思い当たる原因がありませんでした。
このような場合、痛みの直接的なきっかけは本人が自覚していない、日常的な動作によって生じたと考えられます。それは本当に些細な動作です。机の上のペンをとろうとして手を伸ばした、顔を洗うために前かがみになった、水を飲むために顔をあげた・・・
このような日常的で当たり前の動きによって脊柱周囲の深層筋がスパズムを起こし、軽い違和感から歩行もままならないくらいの大きな痛みへと変化する事があります。
それくらいの些細な動作で腰痛を起こしてしまうくらいに身体のスペース・ゆとりがなくなっていたと言う事なのです。
脳は、物理的ストレスも精神的ストレスも分ける事が出来ません。
例えるなら一つのゴミ箱に全てのストレスを溜めて行きます。
出生時の精神的・肉体的ストレスから始まり、過去のケガや病気、精神的ストレスなどを溜め込みます。
そして身体は本人が気づかない内にスペース・ゆとりがなくなって行きます。
ごみ箱がいっぱいになっていれば小さなゴミでももう入れないのです。後は溢れるしかありません。
溢れた結果が症状なのです。
これはギックリ腰に限りません。腰が弱い人はギックリ腰として生じやすいでしょうし、内臓が弱い方なら内臓の疾患、精神的に疲れ切っている方なら鬱的症状が出現するでしょう。
そして、この方のように腰痛として現れる方は、腰痛が現れやすい身体の内部環境があります。子宮の問題で後部腹膜を介して腰椎の動きを制限している?腰静脈に問題があって腰の静脈還流が悪い?食事などの影響で小腸の付け根の腸間膜根が硬くなり、腰椎の動きに制限をかけている?
これを解決し、ゴミ箱の中を減らすことで体の中にゆとりが生まれ、身体は再度バランスが保てるようになります。
そして解決の糸口は、オステオパシーによる全身評価が必須となります。
(オステオパシー的評価)
仙骨病変
左寛骨上方剪断
子宮中心を膜の制限と静脈還流の制限
この方の頭にコンタクトし傾聴という検査法で調べると、骨盤部に強い膜のテンションを感じます。そこで、その他検査も加え明らかになったのが上記です。
上記の制限は現病歴のPMSにも関与していそうです。またホルモンと自律神経のバランスを崩しやすいとPMSにもなりやすく、現在の症状(この方の場合はぎっくり腰)が治りにくい原因にもなります。
そのため施術は上記に加え、頭蓋内部へのアプローチも必要となります。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正及び鍼灸)
鍼施術にてエネルギーを循環させつつ、上記制限に加え、視床・視床下部・下垂体へのアプローチを行いました。
最近は鍼にてエネルギーを循環させながら、施術を行うことが多くなりました。
通常のやり方では、環境の問題で身体が締まりすぎて反応が悪いからです。
エネルギー?胡散臭いなー。
まあ、一般的には確かに胡散臭いですよね。
しかし、身体を知れば知るほどエネルギーの重要性が解ってきます。
深い解剖学をベースにした物理的肉体に対するテクニックと同じくらいエネルギーに対するテクニックは重要だと最近は感じています。どちらが欠けてもダメなんです。
なぜなら筋肉・血管・内臓・神経・骨・・・これらを並べてくっつけても生命は生まれないからです。
で、この方のギックリ腰はどうなったか?
痛みは緩和され、ベッドからの立ち上がりはスムーズになり、歩行も安定しました。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長