Acupuncture & Moxibustion / Bone setting

院長ブログ

手首の痛み (本日のロアン鍼灸整骨院の施術から)

その他の痛み・障害

(患者) 
50代女性

(主訴)
左手首の痛み

(既往歴)
10代右足関節捻挫
30代子宮筋腫

(現病歴)
右肩関節周囲炎(五十肩)
へバーデン結節

この方は現在、右肩関節周囲炎(五十肩)でロアン鍼灸整骨院にて施術中の人です。
五十肩の痛みと関節の可動域は回復して来ており、
施術後の動作確認でも問題があまりなくなっています。
その方と「だいぶ良くなりましたよねー。」とお話をしていた時に
「実は最近、左手首が痛くて物が持ちにくいんです。」とおっしゃりました。

よくお話を伺うと、左手首の痛みは時々あり、
過去に整形外科でレントゲンを撮ってもらったが異常はなく、
腱鞘炎でしょうと言われたとの事。
最近は痛みが軽かったため、気にしていなかったが、このところ、食器を持つのも辛い事があるとの事でした。

(理学的徒手検査)
フィンケルシュタインテスト 陰性
前腕回内・回外時に手関節に痛み
手関節の尺屈制限
手関節に掌屈・背屈の制限

(オステオパシー的評価)
橈骨手根関節制限
手根中央関節制限
小菱形骨可動制限
遠位腕橈関節上方変位
遠位腕尺関節可動制限

手首から手の付け根(手根部)の構造は複雑です。
手根部は大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨・三角骨・豆状骨・舟状骨・月状骨という8つの骨で構成されており、
その骨は相互に靭帯で固定され関節を作っています。
手の掌屈の動きは舟状骨・月状骨と遠位の橈骨で作られる橈骨手根関節の動きが担い、
手の背屈は有頭骨が舟状骨・月状骨の間を滑るために起こります。
また、手の回内(ドアノブ回すように内側に捻る動き)・回外(同様に外側に捻る動き)は前腕の2本の骨(橈骨と尺骨)から成る近位橈尺関節の動きが主に担い、
尺屈・橈屈は橈骨手根関節とそれに伴い橈骨が上下にスライドする事により可能となっています。

つまり手首は、手根部の8つの骨と尺骨・橈骨と言う前腕の2本の骨との間に作られる関節が正常に機能していなければ、スムーズに動く事が出来ないのです。

レントゲンでは骨折・脱臼などの骨の形状はわかりますが、
関節の動きなどは分かりません。
関節の動きは1つ1つの骨を滑らせるように動かして、初めて問題があるか否かがわかるのです。

(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
近位橈尺関節 関節マニピュレーション
腕等関節   関節マニピュレーション
小菱形骨   関節マニピュレーション
手根管    屈筋支帯リリース
橈骨手根関節 関節マニピュレーション

整体・矯正終了後、回内・回外動作での手関節の痛みは消失。
ご本人、「肩のついでに手首の事を伝えて良かった~」とおっしゃっていました。

手は様々なストレスが掛る所です。転べば手を着きますし、ぶつける事もあります。
スポーツ経験のある方ならば尚更です。
その際、手部に存在する8つの骨のどこかに圧縮がかかったり、
橈骨が上方変位を起こしたりします。

実際、手根部やその周囲における動きの検査すると、
全ての骨がスムーズに動いている人はほとんどいません。
皆さん過去に何かしらの衝撃を手で受けているのです。
小さい頃に転んで手を着いた事が影響する事ももちろんあります。

ちなみに、親指の付け根が痛くなる腱鞘炎や、
指先にシビレを生じる手根管症候群なども
手の骨の可動制限が原因となっている事が多いです。

東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長