坐骨神経痛・ヘルニア・狭窄症・胸郭出口症候群など
明けましておめでとうございます。
オステオパシーセミナー、
JTOC(ジャパン・トラディショナル・オステオパシー・カレッジ)参加
およびJOTI(日本オステオパシー教育機構)の認定試験などで
最近ブログが滞っておりました。
教育機構の認定試験は無事合格。
教育機構のメンバーとして更に切磋琢磨していきたいと思います。
今回は左腕の痺れの患者さんです。
(患者)
40代女性
(主訴)
左腕の痺れ
痺れは常時感じており、運動時および安静時の変化はない
睡眠障害や動悸、常時倦怠感等、自律神経症状もあり
(既往歴)
10年ほど前に左頚肋切除
半年ほど前に胃癌のため腹腔鏡下にて胃2/3切除
(現病歴)
特になし
この方は10年ほど前に左腕の痺れがあり、
頚肋(頚椎に肋骨様の骨の突起が生じているもの。先天的。)
が神経を圧迫しているとの事で切除術を受けました。
その後2~3年は痺れがなかったが、その後再発。現在に至っています。
また、半年ほど前に胃癌のため胃切除を行っており、
小腸を直接胃につなげているとの事。
(姿勢アライメント)
胸椎の後弯減少
顎が上がり、頚椎の前弯減少
(理学的徒手検査)
ジャクソンテスト 陰性
スパーリングテスト 陰性
モーリーテスト 擬陽性
アレンテスト 陰性
アドソンテスト 陰性
ライトテスト 陽性
筋力低下なし
知覚正常
上肢の痺れの場合、基本的な検査として、
腕の神経が首から出てくる所で絞扼(神経根症)されているか、
腕に向かう神経と血管が途中で絞扼(胸郭出口症候群)されているかを調べます。
この方は、モーリーテストという
斜角筋の過緊張による神経絞扼を調べるテストが擬陽性で、
ライトテストという小胸筋の過緊張による血管の絞扼を調べるテストが陽性でした。
ただ、この方の場合は常時痺れが存在し、
腕の位置による痺れの変化がありません。
神経根症ですと腕の挙上で症状の軽減がみられ、
胸郭出口症候群では腕の挙上で症状の再現が多くの場合見受けられます。
そのため、この検査が陽性だとしても、
単純に斜角筋や小胸筋由来の胸郭出口症候群とは言えません。
あまり知られていないのですが、
陽性になったライトテスト、教科書的には小胸筋による血管の圧迫なのですが、
実際は小胸筋以外の多くの情報も拾います。
ライトテスト陽性は、
陽性側のどこかの組織が原因で血管を絞扼させている事を示しています。
ではこの(どこか)はどこなのか?
これは、この後に行うオステオパシーによる全身評価で解ってきます。
続きます。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長