腰・骨盤・股関節の痛み・障害
40代の慢性腰痛の患者さんの
オステオパシーによる全身評価と整体・矯正の続きです。
前回はオステオパシーで患者さんを診るときに考察すべき
5つのモデルの話で終了しました。
5つのモデルがどのようなものか少し説明します。
バイオメカニクスモデル
姿勢や筋骨格の異常が体の状態に与える影響
呼吸循環モデル
呼吸や血液やリンパの流れの異常が体の状態に与える影響
神経学モデル
中枢神経・末梢神経・自律神経系の異常が体の状態に与える影響
代謝エネルギーモデル
栄養素の吸収や老廃物の排泄、
代謝、免疫などの異常が体の状態に与える影響
行動モデル
心理的・社会的また環境の悪化が体の状態に与える影響
私は最近、この5つのモデルで最も重要なのは、
バイオメカニクスモデルや神経学モデルなどではなく、
それらを乱す大本は、行動モデル(環境因子)であり、
そのことが原因で身体が悪い方向へ変化してしまっていると
感じています。
そして行動モデルへのアプローチとして
食事と栄養の事などわかる範囲ではありますが、
患者さんにお話しできればいいなと思っています。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
硬膜管リリース
仙骨・尾骨リリース
骨盤矯正
骨盤隔膜リリース
横隔膜・腹横筋・白線リリース
左腎臓リリース
大腰筋・腸骨筋リリース
硬膜管をリリースさせ背骨のテンションを軽減させた後、
骨盤周囲を矯正し、
腰の骨へと付着している
横隔膜脚部、腹横筋、腹横筋の付着である白線のリリースを行い
骨盤脊柱軸の施術をメインに行いました。
骨格の矯正後に、付随した筋膜を緩める感じです。
腹横筋は前方は腹部の正中にある白線につき、
腰の後外側で外側縫線という膜組織で背部の筋膜と繋がり、
腰椎の横突起に付着しています。
慢性的に腰痛がある方は、
この外側縫線に過度な緊張が生じている場合が多く、
背部腹部の筋の柔軟性および
腰椎の問題を生じさせていることが少なくありません。
また、腎臓は大腰筋の上で滑走しなければならず、
大腰筋の中に腰神経叢が存在するため、
腎臓の滑りの悪さが刺激となり、
腰痛や股関節周囲の痛みを生じることがあります。
この方の腰痛の本当の原因は、
硬膜を引っ張っている頭蓋内にあるのですが、
時間の関係で、今日はここまで。
術後は全後屈の可動域の拡大と腰痛が軽減いたしました。
そして最後に、硬膜がなぜ硬くなっているのかと
食事や栄養が体に与える影響などを少し話させていただき、
今回の施術を終了しました。次回は頭蓋中心で施術です。
この方、食事の習慣など気をつけてくれるといいのですが、
中々今までの習慣って変えられないんですよね。
最近ではありますが、実は私も体内の環境を健康なものへと変化させるため、
食事と栄養について勉強し実践しています。
なぜ私がそれを実践しようと思い、実行しているのか?
それは、日々患者さんの身体を診ている中で、
自分にも同様のよろしくない変化が起こっているのだろうと
リアルに感じているからです。
食事と健康のお話はまたの機会に。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長