坐骨神経痛・ヘルニア・狭窄症・胸郭出口症候群など
本日の午後、坐骨神経痛の方が初診でロアン鍼灸整骨院にいらっしゃいました。
糖尿病の既往があり、糖尿病性の網膜症のため奥様もご一緒の来院です。 その他既往として、腎不全があり透析をしています。
二か月程前より左坐骨神経痛が出現し、整形外科で電気治療を受け湿布を処方されていましたが、一向に改善しないため、奥様が以前当院で施術を受けた事から来院されました。
整形外科ではレントゲン上では骨に異常ないとの事。ただし、腰椎の間が少し狭くなっていると説明を受けたようです。
ロアン鍼灸整骨院では、レントゲン検査を病院で受けられていても、画像のみではわからない事も多いので徒手検査を行います。
(理学的徒手検査)
SLRテスト
これは、坐骨神経を牽引する検査です。結果は陰性。 ただしエンハンステストというSLR増強法を行うと、膝下に痛みが誘発されます。 これは、坐骨神経がどこかで障害を受けている可能性が高いことを示しています。
Kボンネットテスト
梨状筋由来の坐骨神経痛(梨状筋症候群)を調べるテストです。梨状筋を伸長し、収縮してもらう事により症状の再現があるかをみます。 ただし、梨状筋症候群による坐骨神経痛は膝から下には出現しません。
今回の患者さんは膝下の訴えもあったのですが、念のため検査します。 症状の再現はなかったものの、臀部が異様に突っ張る感じがするとの事。
筋力検査・腱反射
若干低下傾向。 末梢の神経障害では、筋力や腱反射の低下が見られる事があります。
(オステオパシー的評価)
腰椎5番(L5) 屈曲・左回旋・左側屈の病変。
仙腸関節(骨盤) Left On Left仙骨捻転 仙骨の斜軸という軸で左に回旋し右の仙腸関節に制限。
腸仙関節(骨盤) 右腸骨前方回旋 骨盤の右側の腸骨という骨が手前に回旋。そのため 右の足が左に比べ若干長くなっていました。
内臓 頭部から硬膜を介しての検査では、左腎臓の膜に強い制限。
トリガーポイント お尻にある小殿筋(左)に明らかなトリガーポイントあり。 このポイントを押すと、臀部から膝下まで痛みが響きました。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正 鍼灸)
この方の施術は、腰椎5番と骨盤の整体及び矯正を行い、腰部の筋膜を緩め、左腎臓のリリース後、院内を歩いてもらいました。 症状が軽くなっているとの事だったので、最後に左小殿筋のトリガーポイントに鍼を行い、本日の施術を終了しました。
腎臓は後部腹膜に密接に関係があるので、固着により後部腹膜―骨盤という経路で、仙腸関節・腸仙関節に制限を起こし、骨盤をゆがませていたのでしょう。
骨盤のゆがみは腰椎の制限を引き起こします。
腰椎の制限は神経の出口にテンションをかけます。これは坐骨神経痛の原因になります。
また、骨盤のゆがみ・足の長さの違いにより、お尻の筋肉が過緊張し、トリガーポイントを形成したと考えられます。
つまり今回のケースでは、神経の症状とトリガーポイントの症状がミックスされた坐骨神経痛という事が言えます。
この方の坐骨神経痛は、症状が2か月間続いており、緩和傾向になかった坐骨神経痛であり、既往症などを考えると改善までに時間がかかると感じています。
原因をしっかり追究し施術していきたいと思います。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長