その他の痛み・障害
当院に通われている患者さんからの紹介で、坐骨神経痛で悩む方が来院されました。
初診時の様子と2回目の様子を書いて行きます。
(患者)
50代 男性
(主訴)
左下肢のピリピリ感。
(既往歴)
1歳ごろに左上半身に広範囲熱傷
20代扁桃腺オペ
(現病歴)
高血圧症 花粉症
(姿勢アライメント)
骨盤前傾位
胸腰移行部過後弯
(理学的徒手検査)
SLR等神経学的所見陰性
この方は、2年ほど前より左足のピリピリする感じが出現し、整形外科や通っているマッサージの施術者から坐骨神経痛ではないかと言われていた方です。
立ち上がる時などに、症状が増悪するようです。
ただ、神経学的な徒手検査では明らかな神経症状は出現せず、痛みの感じ方も神経由来のものとは考えにくい状態でした。
つまりは坐骨神経痛ではない可能性が高いと言う事です。
身体のどこかに症状を出している本当の原因があるはずです。
それをオステオパシーによる全身評価で探って行きます。
(オステオパシー的評価)
仙骨病変
右腸骨病変
左大腿部傾聴にて強く引かれる
オステオパシー独特の検査法である、身体の膜の状態を調べる傾聴という方法を行うと左大腿部に強い膜のテンションを感じます。
そのことを伝えると、小さい頃の左上半身の火傷は左の大腿部から皮膚を移植したとの事でした。左大腿部を診せて頂くとかなり広範囲に皮膚を剥離した痕跡がありました。
人の体は表面から順に表皮・真皮その下に脂肪の層(浅筋膜)深筋膜と続いて行きます。
それぞれの層が滑る事で自由な動きが約束されます。そして真皮以下には様々な感覚受容器が存在しています。その部分が癒着を起こしたらどうなるでしょう?
当然動きは制限され、感覚受容器も過剰に興奮することになります。
2年前より続くこの坐骨神経痛様の症状は、皮膚剥離による癒着に原因がありそうです。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
左大腿部皮膚剥離部分の癒着に対し、反射区を利用した剥離操作
体液のルートを確保するため骨盤部及び下肢の機能障害に対する矯正・調整
頭蓋反射によるリンパ排液
施術後に、常に足のピリピリ感を抑えるためシップを張っているとの事でしたので、取り敢えずシップをやめて2週間後に来てくださいと伝えました。
2回目来院時に症状をお聞きしたところ、全くピリピリ感はなく2年間悩んでいたのは何だったのか?との事。
良かったと思いつつ、癒着が消えたわけではないので、身体のバランスが崩れた時にはまた症状が出現する可能性は十分ある事を伝えました。
この日は、中枢神経系のバランスをメインに施術し、何が身体の不都合が生じたときにはまた来院して下さいと伝え、終了しました。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長