腰・骨盤・股関節の痛み・障害
腰痛で悩む30代のヨガインストラクターの方が来院されました。
(患者)
30代 女性
(主訴)
3か月前より身体を前屈すると腰部に緊張が走り、後屈すると明らかな腰痛を生じる。
(既往歴)
11歳 虫垂炎
(現病歴)
特にはないが、生理が重い
(姿勢アライメント)
骨盤前傾位
腰椎前弯増加
右腸骨前方回旋位に対し足部は回外位
仙骨左回旋に対し腰椎左凸
(理学的徒手検査)
神経学的徒手検査は陰性
この方はヨガのインストラクターをされている方で、身体が非常に柔軟です。
3か月ほど前より腰の痛みと違和感を感じ始めたが、治るだろうと思い仕事を行っていたとの事。
ヨガのインストラクターだけあり、自分で痛みの出ている筋肉に対しストレッチなどのセルフケアを行っていましたが、いよいよ治らないと感じ当院を受診。
ヨガのインストラクターなど自分の健康と向き合っている方は、食事などにも注意を払っていることが多く、また、基本的なエネルギー状態も良いので施術がし易いので助かります。
因みに、健康は誰か(医者や施術者など)が与えてくれると考えている人は、症状が改善しにくい場合があります。
健康は決して減るものでも無くなるものでもなく、常に生まれた時からその人と一緒に存在しています。
自身の健康に気づき、健康に対する責任を持つ事が大切なのですが、詳しい話は長くなるのでまたの機会に。
(オステオパシー的評価)
仙骨病変
右腸骨病変
右股関節制限
右卵巣制限
虫垂間膜制限
第1腰椎制限
この方は右下腹部の制限が非常に強く、細かく調べると上記に制限が見られました。
11歳の頃に発症した虫垂炎に端を発しているようです。
炎症は必ず組織の線維化を引き起こします。
炎症が治まっても組織の線維化は消えません。
線維化は身体の膜組織を引っ張るテンションになります。
そのテンションはどんなに弱くても異常なテンションなのです。
その異常な情報は常に脳に送られています。
そして脳はそのテンションを打ち消す努力を常に行っています。
わかりやすいのが姿勢の変化です。
姿勢を変化させて異常なテンションを代償させているのです。
実際にはもっと細かい組織に対する代償も行っています。
日常生活動作などの繰り返しの動作に対するストレスや精神的なストレス、病気やケガなどによりその代償によるバランスが崩される場合があります。
崩れた代償はまた新たなバランスをみつけ新たな代償を行います。
ただ、代償には症状が付随する場合も多々あります。
先の姿勢の変化による代償を例に挙げれば、姿勢を変化させるという事は筋肉のアンバランスを生じさせます。
その筋肉のアンバランスにより痛みが発生することもあります。
この方の場合、虫垂炎による虫垂周囲の線維化が虫垂間膜の制限となり、しだいに右卵巣や骨盤の関節である仙腸関節などの制限につながって行ったのでしょう。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
上記制限に対しリリース
施術後は筋肉のツッパリ感が残るものの腰痛は改善。
線維化が消失した訳ではない事を伝えたところ、定期的に身体の調整に来院したいとの事。
色々な意味で、自分の健康に向き合える人はやはり違うなと感じた日でした。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長