腰・骨盤・股関節の痛み・障害
慢性腰痛と股関節痛に悩む患者さんに対する
オステオパシーによる評価と矯正・整体の続きです。
肝臓や小腸の付け根である
腸間膜根のテンションがこの方にはありました。
なぜ内臓の膜が硬いかどうかわかるのか?
それは傾聴という方法で膜の引っ張り具合を調べるからです。
また、呼吸によりその臓器が自由に動いているか、
モチリティーと言われる自動運動はどうかなどを組み合わせて判断します。
基本的に1つの検査方法で決定することはありません。
いくつかの検査を重ねて、
本当に制限があるかどうかを判断し、体を評価していきます。
肝臓は横隔膜、後腹膜と関係を持ち、
これも背部痛や腰痛の原因になります。
また、肝臓の解毒機能が低下すれば血液中の老廃物が多くなり、
その結果、痛みを憎悪させ治癒を遅らせます。
腸間膜根は腰椎を横切ります。
そのため腸間膜根の硬さは腰痛の前弯増強に関与する場合があり、
結果腰痛の原因につながります。
腸間膜根は小腸の付け根ですので、
食生活の乱れや砂糖・乳製品の取り過ぎで硬くなる可能性があります。
SBS(蝶形後頭底結合)とは
頭蓋骨の蝶形骨と後頭骨の底部にある軟骨性の結合部分です。
頭蓋骨はそれぞれの骨が縫合で結合していますが、
それらはまるで呼吸をしているように 自動運動しています。
これを1次呼吸と言います。
そしてその1次呼吸は全身に波及しています。
1次呼吸はポテンシーと言われる、
健康に対する根源的基盤であり、形成原理の現れです。
そして頭蓋の動きはこのSBS(蝶形後頭底結合)を中心に動いています。
このSBSが圧縮されていると頭蓋の1次呼吸の動きが悪くなり、
延いては全身の1次呼吸に悪影響を及ぼし、健康を害します。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
SBS の開放を最初に行い、
健康に対する土台を正常化したのち、
全身の評価でみつかった、
その他の部位に対し矯正および調整を行いました。
ただし、今回は骨盤の詳細な矯正は行っていません。
施術をしながら再評価していくのですが、
腸間膜根および肝臓のマニピュレーションを行ったところで、
体のバランスが取れたからです。
施術後、体の後屈時の痛みと股関節を深く曲げた時の痛みは緩和され、
体前屈時の硬い感じは消失。
腰部に不安定性がみられたので、
体幹インナーマッスルのトレーニングを指導し終了しました。
次回の来院時に骨盤のゆがみが残っていれば、そちらをメインに
施術する事になるでしょう。
我々の仕事は、我々が治すのではなく、
患者さんの持っている自然治癒力を最大限に引き出すのが仕事です。
自然治癒力が上手に働けなくなった体を正しく矯正すれば、
健康は患者さん自身の力で取り戻して行きます。
後はこの方の治癒力を信じるだけです。
オステオパシーの創始者Dr.Stillの言葉にこのようなものがあります。
Find it Fix it Leave it alone
(病気の原因を見つけ、それを治したら、後は放っておきなさい)
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長