自律神経系・不定愁訴
自律神経失調症と診断された患者さんに対するロアン鍼灸整骨院でのオステオパシーによる全身評価と施術のブログ。パート2です。
前回は自律神経失調症の説明がメインでした。
今回はこの方の自律神経症状の原因の解明と施術を、どのようにオステオパシーによって行ったかを書いていきます。
(オステオパシー的評価)
1次呼吸の活力がない
骨盤の制限
肺胸膜制限
心膜制限
1次呼吸とは組織の拡張と収縮を伴う自動性の動きです。
まるで呼吸するかのように動くためこのような名前がついています。
1次呼吸の動きの源は受精の瞬間から始まります。
1次呼吸に関する詳しい話は長くなるのでまた後日にでも。
1次呼吸の活力がないというのは、生体のエネルギー自体の活動が弱まっていることを示しています。
骨盤の制限並びに胸膜や心膜の制限はおそらく過去の交通事故に起因していると考えられます。
後ろからぶつけられた自動車事故では、むち打ちが生じます。
座っている状態ですから骨盤の寛骨がロックされた状態です。
追突により頭部は前方に移動します。
頭蓋骨の中の硬膜は脊柱の中を脊髄を覆いながら、仙骨の2番に付着し、その先は軟膜が終糸となり尾骨につきます。
終糸の表面も薄い硬膜が覆います。
寛骨がロックされたままで頭が前方に移動することにより、硬膜を介して仙骨を引っ張ることになるのです。そこで骨盤の制限が生じます。
心臓は血液の入った重たい臓器です。
これが衝突により前方へのベクトルが掛かると、椎骨心膜靱帯を介して頚椎を引っ張るでしょう。
事故の瞬間、横隔膜は一瞬過緊張を起こします。
横隔膜のすぐ上には胸内筋膜を介して肺胸膜が存在しています。
肺胸膜は胸膜頂を介して頚椎に付着しています。
そして胸膜頂も頚椎に過剰なテンションをもたらします。
これらが総合的に関与して、むち打ちの症状が出現します。単なる首の筋肉の問題ではないのです。
特に心臓は様々なエネルギーに関与しています。
東洋医学の話になりますが、心臓は五神(五精)のうち正に神のエネルギーと関係しています。
神というと怪しくなりますが、万物を構成するエネルギーというと分かりやすいでしょうか。
このエネルギーとは量子エネルギーなのですが、この話もややこしいのでまたの機会に。
この方の場合、まずは頭蓋テクニックにより、1次呼吸の強化から始めました。
1次呼吸が活性化されたのを感じたうえで、骨盤の調整。
ただし、時間がなく本日はここで終了です。
これだけでも、頭がはっきりして来たとの事でした。
1週間後に続きを行うため、次回の予約を入れて頂きました。
自律神経失調症は、何がその裏に存在しているか、身体の声を聴くことが重要です。
自律神経失調症の施術と称して、硬くなった筋肉をほぐしたり、ストレッチをするのは何の解決にはなりません。
そのような施術は、原因を解決した後に必要であれば行うものです。
正しい施術を行えば、身体は応えてくれるものです。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長