頭・首・肩・背中の痛み・障害
首の激痛を訴え、首が動かせない患者さんの続きです。
前回のブログでは、理学的徒手検査とオステオパシー的評価までで、理学的徒手検査の結果は有用なものが見つからず、オステオパシー的評価で症状の原因に迫りました。
では、続きです。
この患者さんの身体は心臓の弁が第一の問題です。
特に卵円孔(実際には弁ではない)といわれる部位が異常なテンションを生じ、血管を介して頭蓋骨から仙骨まで圧縮を掛けています。
圧縮の掛かった首や背中、腰の骨は上手に動くことが来ません。
心臓は全ての血管の大本ですのでこのような事が生じます。
また骨盤の骨である仙骨には、脳から脊髄を覆う硬膜の強力な付着部位があります。仙骨の病変はこの硬膜を強く引きます。
そのことも脊柱の動きを制限します。
肺を覆う膜である胸膜は胸膜頂で第1肋骨と頚椎に付着し肺を吊るしています。
ここにテンションが生じると、首の関節のロックが生じ、また同様に心臓支持靱帯、特に椎骨心膜靱帯のテンションは直接頚椎の制限に繋がります。
以上の事から、何故首が動かなくなったのかがわかります。
動かなくなった首は神経反射で周囲筋に過緊張をもたらしますし、椎間板の刺激や交感神経亢進、静脈還流不全などにより痛みを伴うでしょう。
忘れてはならないのは、身体の中の些細な変化が結果として大きな症状を出すことがあると言う事です。
それぐらい身体は細かな連絡網を持っているのです。
そして、通常なら身体は、その様な変化を治癒させるか代償してバランスを保ちますが、何かでその治癒力が圧倒されたとき、または代償しきれない場合にバランスが取れず症状が出現するのです。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正及び鍼灸)
上記部位に対しリリースを行う。
リリース後、肩の緊張部位に筋膜鍼。
術後、可動域改善。
それに伴い痛み緩和。
ただ、痛みはまだ残っている状態でした。
1週間後に再診の予約を入れてもらい本日は終了。
実はここからちょっとした出来事が発生しました。
施術した患者さんが次の日いらっしゃったのです。
昨日の夜までは少し楽だったが、今日また痛くて首が動かせない!
こんな事あるのですか!?
取り敢えず身体を診させて頂いたら、身体はバランスがとれ、首の制限もありません。
2日くらいは身体が大きく変化しようとするので、痛みがぶり返すこともある事を伝え、明日、もし痛みが強いようなら施術させて頂くので再度来院してもらえますか?と、施術しないでお帰り頂きました。
そして翌日来院され、痛み変化してないのかな?と心配になったものの、開口一番(痛みが全くなくなった!)とのこと。
昨日の不安そうな顔から一転、笑顔でした。
よかった!
実際、昨日の状態で患者さんの訴えのまま施術していたら、本当に刺激過多で悪化していたと思います。
患者さんの身体の声に従って良かった思える出来事でした。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長