腕の痛み・痺れ
左肩および腕の痛みの患者さんの続きです。
前回では理学的徒手検査とオステオパシーによる身体の評価にて症状の原因を見つけました。
パート2では、オステオパシーによる評価の続きと施術です。
本来、様々な環境の変化に対応できるように、人間の体はとても精巧に作られています。
そして健康で幸福に過ごせるようにデザインされています。
ただ、その内部・外部の環境に対する遊びがなくなると代償できなくなり、症状が出現するのです。
人間の体は、どこかが硬くなると他の所でバランスをとります。
これが代償です。
食べ物や飲み物・大気中の化学物質、家庭や職場のストレス、自身が抱える心理的問題、怪我などは全て身体のどこかに制限を掛けます。
組織の硬さになるのです。
これに対し、代償しバランスを取っているのです。
バランスがとれている場合、症状は出現しません。
症状が出現しても身体がバランスを見つけられれば、症状は勝手に消えます。
この方の場合も、傾聴という膜の検査を行うと身体の中の制限が数多ありました。
その中で手根部を中心にした筋膜のテンションが肩に影響を与え続け、代償不全に陥り症状として出現したのです。
もしこの方に骨盤の制限がなければ、筋膜を介して骨盤で代償され、症状は出なかったのかもしれません。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正及び鍼灸)
小菱形骨と有頭骨間リリース
胸鎖関節・肩鎖関節リリース
鎖骨下筋リリース
リンパ廃液
鎖骨下静脈・脇下静脈リリース
肩峰下滑液包は鍼にてリリース
とりあえず痛みを引かせることが先決です。
身体の本当に重要な制限は他にありますが、それは痛みが落ち着いてからじっくりと。
炎症を鎮静化するにはどうしたらいいのか?
それはリンパと静脈を流すことです。
そのために、筋膜のテンションを低下させ、リンパ・静脈の通路を確保します。
上記の関節と筋膜のリリースはそのために行います。
その後、頭蓋反射テクニックでリンパと静脈を流します。
圧痛の強い滑液包には、直接鍼にてテンションのバランスをとりました。
こんな時にも、鍼は強い味方になってくれます。
この鍼の方法は東洋医学の鍼ではなく、オステオパシー哲学によるオステオパシーの鍼です。
施術後、患者さんは肘を支えることなく、肩を動かすことが出来るようになりました。
まだ、炎症があるので完全とはいかないものの、この様子だと無理しなければ直ぐに炎症は引いてくれるでしょう。
炎症が引いてくれれば、この方の健康の本質に対し施術を行い、更なるバランスをとる事が可能となります。
1つラッキーだったのは、恐らく石灰沈着が無かった事。
石灰沈着があると、劇的に変化しないことや、痛みを取るのに回数が掛かったりします。
あまりにもひどい時は整形外科でステロイドを注射して来てもらい、その後オステオパシーを行います。
その場合でも、注射だけの場合より治癒のスピードは向上します。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長