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院長ブログ

講演会 肩こりの予防と対策 

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講演会 肩こりの予防と対策   

肩こりの予防と対策についての講演会の依頼を、社会福祉法人奉優会様から頂きました。
この講演会は、地域貢献の一環として毎年引き受けさせて頂いています。
その時々により内容を膝痛対策講座に変更したりして、
かれこれ6~7年続いているでしょうか。



今回は肩こり対策でしたが、講演の構成は毎回前半が座学、後半は全員でその症状にあったセルフメディケーションのためのストレッチや筋力トレーニングを行っています。

座学の内容は姿勢の変化により、どのような筋肉が硬くなり、そして筋力低下を起こすかなど、少し詳しく説明します。
これは、肩こりの原因を知るために必要な事ですし、原因を知る事でその後に行うセルフメディケーションの重要性を意識づけしてもらうためです。



ただ、座学は飽きる人もいらっしゃるので、興味を引くトピックスや質問を行い、なるべく飽きずに理解してもらう様に心掛けています。

例えば、このような質問をしています。

肩こりの原因の1つは血行不良にありますが、ここで質問です。
動脈のポンプは心臓ですが、静脈のポンプはなんでしょう?

少し知識のある方だと、(ふくらはぎ!)と答えてくれます。
そうです、ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれています。
でも、ふくらはぎなどの筋肉だけが静脈のポンプだとすると、寝ている間に人間は死んでしまいます。
なぜなら、寝ている間は筋ポンプが使われませんから。
実は、ふくらはぎなどの筋ポンプより重要なポンプが人の身体にはもう一つあります。

それが横隔膜のポンプです。

横隔膜には大静脈孔という穴が開いており、
そこを太い静脈(下大静脈)が通過しています。
呼吸により横隔膜が上下に動くことにより、腹部と胸部の圧力差により静脈血が吸い上げられ、心臓に戻るのです。
そのため深呼吸、特に複式呼吸を定期的に行う事も血流の改善につながります。
このような説明をすると、皆さん、なるほど~と納得してくれます。

そして、座学の後は自分で行えるストレッチや筋トレなどのセルフメディケーションです。 まずは良い姿勢の再確認をしてもらいます。



猫背姿勢が長い間続いている人は、その姿勢が正常と脳が認識しています。
左手を胸の骨に右手を下腹部に置いてもらい、必ず左手が右手よりも前方に出るように腰の骨と胸の骨を調節してもらう。
そこから頭を天井方向に引き上げてもらい、肩甲骨を少し開き胸の骨を1ミリ程度落とすように意識してもらう。
これで背骨の生理的な彎曲が正常になり、背骨全体がきれいなS字カーブを描きます。

その後で、猫背の原因筋である肩甲挙筋・菱形筋・前鋸筋・小胸筋のストレッチと僧帽筋の強化運動を皆さんで一緒に行います。
またゴムボールを使用し、ツボを刺激するゴムボールストレッチを考案し、やってもらっています。

これらの運動を一通り行うと、肩や背中に心地よい疲労感が生じます。
普段使われていない硬くなった筋肉に刺激され血流が改善し、柔軟性が向上した結果です。

また今回は、デモンストレーションで肩こりのある人の中から一人選ばせて頂き、首と肋骨の矯正でその場で肩こりを解消させるという事を行いました。
これは筋骨格の問題であれば、今回行うセルフメディケーションを続ける事によって、効果が出るということを分かって頂くためです。



ここで失敗したら、今回行うセルフメディケーションの効果が全く伝わらなくなりますが、無事その人の肩こりを解消できました。
まあ、デモンストレーション施術に関しては自信がなければやりませんが、内心ほっとしたことは事実です。

東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長