腰・骨盤・股関節の痛み・障害
慢性的に腰がだるい感じがあり、２週間前にぎっくり腰をしてから、
その痛みが 残っているということで来院されました。
（患者）
３０代 女性
（主訴）
腰痛 右股関節痛
（既往歴）
１０代 左足関節靭帯損傷
（現病歴）
なし
（姿勢アライメント）
骨盤前傾位
腰椎過伸展
（理学的徒手検査）
下肢症状なし
体前屈時腰部に硬い感じ、後屈時に腰仙部を中心に痛み
股関節荷重時の痛みなし
脊柱プッシュテストは腰仙部で陽性
仙腸関節および股関節の負荷テスト陰性
股関節深屈曲時に痛み
骨盤固定位でのパトリックテスト・ゲンスレンテスト陰性
股関節内転可動域減少
姿勢はいわゆる（でっちり）（反り腰）です。
反り腰の人は腰の関節が圧迫されやすいため、
関節由来の腰痛が生じます。
プッシュテストで痛みが出るのは、
関節の不安定性と関節が圧迫されるためです。
また、腰痛を感じる人はその痛みが腰由来なのか
骨盤由来なのか股関節由来なのかを 調べることも必要です。
ロアン鍼灸整骨院では、腰痛に対する筋力強化運動の指導も行っています。
その際、その腰痛がどこから生じているかで運動方法が異なります。
適切な運動を行うためにも、これらの検査は重要となります。
股関節痛に対する関節の徒手検査は一応陰性ですが、
可動域の低下がみられます。
実は、股関節の内転制限や足関節の背屈制限がある人は非常に多いです。
これは、骨膜のねじれが関係しています。
骨膜がねじれる原因は何か？ これはまたの機会に。
（オステオパシー的評価）
右肩甲骨下角と右腸骨間の狭まり
尾骨・仙骨の圧縮 右
股関節関節窩における腸骨・恥骨・坐骨の接合不良
骨盤（仙骨・腸骨）のゆがみ
腸間膜根および肝臓のテンション
SBS（蝶形後頭底結合）圧縮
全身の評価を行う際、骨指標による評価をする場合があります。
これは体の要所（乳様突起、肩甲骨、骨盤の腸骨など）の
左右の高さの差を比べる方法です。
その際、上下で狭まりがある場合、
その間に存在する組織（関節や内臓）など）
に問題がある事が示唆されます。
また、立位と座位での変化の違いにより手足の問題がわかります。
ただ、これはグローバルな検査なので、
その後、その部分を詳細に調べる必要があります。
この方の場合、右の肩甲骨の下と
右の骨盤の骨である腸骨の間が狭まっていました。
手足の問題は少なかったため、
背骨、骨盤、体の右にある臓器（肝臓、右腎臓、十二指腸など）
に問題がありそうです。
この方の場合は骨盤および内臓の問題で狭まりが生じていました。
尾骨・仙骨の問題は非常に多く、
これらは、解剖学的に体の中心を通る脊髄硬膜と横隔膜と関連します。
横隔膜の脚部は腰椎に付着するため、
問題が生じれば腰痛の原因になるでしょう。
また、脊髄硬膜の問題は背骨の動きに直結します。
股関節は大腿骨の骨頭部分が
骨盤の寛骨臼にソケットのようにはまり込んで構成されています。
この寛骨臼は腸骨・恥骨・坐骨という３つの骨で成り立ち、
ちょうどYの形で接合しています。
この部分のゆがみが生じている人は結構多いです。
寛骨臼は解剖学的に尾骨と関連があり
大腿骨頭靭帯を介して大腿骨も引きずりこまれています。
そのため股関節の可動性特に内転制限が生じ易くなります。
この状態が長く続けば股関節痛の原因にもなるでしょう。
骨盤のゆがみは腰痛や股関節痛に関係しますが、
骨盤のゆがみは誰にでもあります。
痛みに関係するが原因でない場合も多いと言うことです。
骨盤がゆがみやすい原因として、
上半身と下半身の重心は第２仙骨に生じる身体重心でバランスを取っていることや、
筋肉のアンバランスや関節の制限、
腹膜の問題などがあげられます。
骨盤のゆがみの原因は様々なため、
骨盤周りの筋肉のストレッチのみで矯正を行っても、
その原因が筋肉になければ、足踏み程度でまたゆがんでしまうでしょう。
この方の場合の骨盤矯正は、内臓のマニピュレーションを行ってから、
必要があれば骨盤自体にも行います。
少し長くなりました。パート２へ続きます。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長