腰・骨盤・股関節の痛み・障害
オステオパシーによる評価の続き
この方のオステオパシー的な評価では以下のような体の状態でした。
(オステオパシー的評価)
左乳様突起、左肩甲骨下角、左腸骨は上方へ変位
腹部傾聴で胆嚢のオペ痕
胸部傾聴で心臓
頭蓋SBS(蝶形後頭底結合)の圧縮
左右第1~8前方肋骨
尾骨・仙骨の圧縮 など
左乳様突起、肩甲骨、腸骨の上方への変位は剪断を起こしている可能性を示唆します。
骨盤をじっくり調べましたが、やはり剪断があるようです。
剪断とは簡単に言うとからだの左右が活断層のようにずれている状態です。
剪断は最初に解除しておかないと、
他の部位を開放しようとしても剪断が邪魔して上手くいきません。
剪断は手足の制限箇所と膜のつながりを持つことが多く、
この方は左の小菱形骨でした。
そして 胆嚢のオペ痕の癒着から胸椎への関連性、
横隔膜からの仙骨・尾骨の圧縮、
コアリンク(脊髄硬膜)の問題と仙骨・頭蓋骨の関係、
心臓の弁や心臓周囲組織と肋骨の関係性 などが見えてきました。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
上記の部位を全て開放するには時間が掛かります。
また施術の部位数が多いと脳の視床というところで、
情報が過多になり、要らない情報としてカットし始めます。
そのため、本日は剪断・前方肋骨・胆嚢のオペ痕のみ施術を行いました。
大まかに器を整える感じです。
施術後、体幹の後屈痛はあるものの、回旋の痛みはほぼ消失。
最初はベッド上での体位変換も痛みが生じて、
しばらくその姿勢を保ち痛みが落ち着いてからでないと次の動作に移せなかったのが、
スムーズに動けています。
このままこの状態が続けばいいのですが、
残りの箇所も開放しないと長く持たないでしょう。
そして糖尿のため
ヘモグロビンに糖が結びつく糖化ヘモグロビンという状態になっているので、
症状が緩和しにくい事を伝え、本日は終了しました。
基本的に症状のある場所には、
本当の原因が存在する事は少ないため、
腰痛・背部痛と言っても腰や背中を全く触らないことも多くあります。
痛みが生じている部分を押したり引いたりすれば、
一時的に神経の閾値が上がるので痛みが緩和することもありますが、
症状に対する原因が何も解決していないので、
すぐ元に戻ってしまいます。
また、炎症を起こしていれば悪化します。
でも、患者さんって症状のある所を触ると安心するんですよね・・・
今日のブログの最後に
オステオパシーの創始者であるDr. A.T.Stillの言葉を。
オステオパスは症状を扱うのではなく、
その原因に戻り矯正することによって、
症状が消滅していることに気付くであろう。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長