坐骨神経痛・ヘルニア・狭窄症・胸郭出口症候群など
右腕の痺れ、背中の痛み、肩こりに悩む方が来院されました。
(患者)
30代 女性
(主訴)
右腕から肩にかけての痺れと重だるさ、それに伴い右の強い肩こりと背中の痛みを感じる。
(既往歴)
10代左半月板損傷
(現病歴)
子宮内膜症
(姿勢アライメント)
胸椎後弯減少
頚部前弯減少
(理学的徒手検査)
ジャクソン、スパーリングテスト陽性
アドソン、エデン、ライトテスト陰性
モーリーテスト陽性
筋力テスト陰性
痺れの範囲はC5・C6領域
肩関節及び周囲関節の可動域は正常
肩や背中の痛みや強い重だるさ、こり感、腕の痺れや重だるさは首からの血管や神経が何かしら障害を受けて発症することが多く見受けられます。
神経や血流の影響を調べるために上記の理学的検査を行いました。
結果は血流の問題はありませんが、首からの神経絞扼があるようです。
首の4・5・6番目の骨に問題がありそうです。
首からは出た神経は前と後ろに分かれ、首の5番目の骨以下から出る前方の神経は、肩や腕・背中を支配する腕神経叢となり、後ろから出る神経は後枝といわれ、首や背中を支配します。
では、首の施術が重要になるのかというと、実はそうではありません。
首に対してのみ施術を行うと逆に炎症が酷くなり、治りません。
逆に悪化する事もあるでしょう。
では、どこを施術するのか?
体の中に必ず、首の骨に影響を与えている箇所が存在しています。
事故などで首に直接外力を受けないかぎり、首の骨が勝手におかしくなることなどありません。
何が首の骨に影響し神経に影響を与えているのか?
これを調べるためにオステオパシーによる全身評価を行っていきます。
(オステオパシー的評価)
右肺胸膜及び心膜
右上部肋骨前方変位
上部胸椎前方変位
今回の腕の痺れ、背中の痛み、肩こりに直接的に関与しているのは上記でしょう。
肺を包む胸膜は上方を堤靱帯という靱帯で首の骨と繋がっています。
心臓を包む膜である心膜も椎骨心膜靱帯で首の骨と繋がっています。
これらの靱帯が首の骨を引っ張り、動きを制限した結果、他の部分の首の骨が過剰に動かなくてはならなくなり、首の骨周囲に炎症が生じ、結果神経の障害に繋がったと考えられます。
この症状が出現する随分前よりこれらの制限は存在しており、いよいよ身体のバランスが取れなくなると首の負担が過度になり炎症が生じ、症状として出現するのです。
ではなぜ胸膜や心膜の問題が起きたのか?
これらは食事などを含む環境の問題かもしれないし、精神的ストレスの問題かもしれません。
(施術 オステオパシーによる整体・矯正)
上記制限箇所を施術する前に、体の中の捻じれや圧縮に対してアプローチを行いました。
こうしないとすぐに元の状態に引き戻されてしまいます。
この体の中の捻じれ・圧縮は皆さん同じように存在しています。
そしてここ数年で非常に強い捻じれ・圧縮が生じています。こ
これらの原因は環境の問題です。
数年前より私たちの環境に何がおこっているのか?
勘のいい方ならお分かりかと思います。
その後、胸膜・心膜を施術し上部肋骨及び上部胸椎、後頭骨周囲の施術、過緊張の残る筋膜をリリースして本日の施術は終了。
腕の痺れは軽減し、肩のこりも軽減、背中の痛みは肩甲骨の内側一点のみ押すと気になるが、来院前よりも随分と楽になったとの事。
ただ、長年かけて生じた今回の症状は、形状記憶のように筋膜が元の悪い状態に戻ろうとするので数回は施術が必要な事を伝えました。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長