セミナー・その他
腰痛には様々な種類があります。
腰の周囲の筋・筋膜由来の腰痛、
腰の骨と骨の間にあり、クッションの役割を果たす椎間板由来の腰痛、
腰の骨と骨の間の関節(椎間関節)由来の腰痛など。
また、腰痛に加え足などに痺れや痛みを生じさせるものとして
クッションの役割の椎間板の中にあるゼリー状の髄核が飛び出し神経を刺激する椎間板ヘルニア、
背骨にある脊髄の通り道である脊柱管が狭くなり神経を刺激する脊柱管狭窄症、
腰骨の神経の出口周囲の障害で神経を刺激する神経根症など。
このように腰痛の種類を列記すると、腰痛は腰の筋肉、筋膜、関節、椎間板など腰部を構成する組織に原因がありそうです。
実際、腰痛で整形外科を受診すると、レントゲンやMRIなどの画像検査でこれらの問題が腰痛の原因として指摘されることも多いでしょう。
日本の医療系の学校でも、腰痛の原因は腰部を構成する組織の異常から来るものとみなして教えられます。
実はここに治療をしても腰痛が治りにくい、大きな落とし穴があります。
筋肉に原因があるからマッサージや電気をかける。
関節に問題があるから牽引機で引っ張る。
骨や椎間板に問題があるから手術する。
原因に対して治療を行っているのに、結果は芳しくありません。
そのため沢山の人が腰痛で悩んでいます。
腰痛で腰の組織にのみ注目してしまうと、本当の原因が見えなくなります。
痛いのは腰なので、その部分に目が行くことは仕方がないのかも知れませんが…
先に挙げた、腰痛の原因になりそうな筋肉や関節、椎間板などの組織の異常は、実は原因ではありません。
原因ではなく結果なのです。
何らかの力が働いた結果、腰の関節が変性した、筋肉が緊張した、椎間板が障害された、骨が変形したのです。
その何らかの力を働かせている所に腰痛の本当の原因があります。
ではそれは何なのか?
人間の体は骨と筋肉だけでできている訳ではありません。
身体には内臓があり神経や血管もあります。
体を前かがみにする時は、体の全ての組織(筋肉、骨、内臓、血管、神経など)がそのように動かなくてはいけません。
体の全ての動きは、体の全ての組織がそのように動いて初めて正常に遂行されるのです。
慢性的な腰痛に悩む人で、小腸の付け根の腸間膜根が硬くなっている人がいます。
腸間膜根は、お腹の後ろの膜に付着し、腰椎の4番付近の前方を斜めに横切るため、硬くなるとその腰椎の動きを制限することがあります。
動きが制限された骨があると、その上下の骨は制限された骨の代わりに頑張って動かなくてはいけなくなります。
その結果、神経が刺激されたり、骨や椎間板の変性が生じるのです。
ですので、この場合は腰の構造に対してアプローチを行うより、原因である腸間膜根にアプローチを行うべきなのです。
その後で、必要であれば腰の構成要素にアプローチを行います。
本当の原因が解決されなければ、腰痛は何度でもぶり返します。
これが腰痛が治りにくい原因です。
ちなみに腸間膜根が硬くなる原因も存在します。
これは食事の問題が大きく絡みます。
砂糖・乳製品の取り過ぎや、食品中の添加物などが挙げられます。
腰痛に限らず、症状のある部分に症状の本当の原因が存在することは稀なのです。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長