自律神経系・不定愁訴
不眠や身体の倦怠感に悩む患者さんが来院されました。
(患者)
30代 女性
(主訴)
なかなか眠る事が出来ず、寝ても何度も目が覚めてしまう。
常に身体が重く、首や肩のコリ感が強い。
胃腸の調子が悪く、腹部の膨満感がある。スッキリしない。
(既往歴)
10代 歯列矯正
(現病歴)
特になし
(姿勢アライメント)
頸椎から胸椎にかけての生理的弯曲減少。
肩甲骨下方回旋位
(理学的徒手検査)
脊柱全体の動きはアンバランス。特に頚椎から上部胸椎にかけて、可動に乏しい。
この方は、半年ほど前から、身体の倦怠感が強くなり、肩コリや首のコリ感が強くなり始めました。
気が付いたら、常に腹部の膨満感があり、便秘気味になっていたとの事。
以前より途中で目が覚めることはあったが、入眠障害はなかったようです。
心療内科に行くか迷ったそうですが、ロアン鍼灸整骨院のホームページを見て来院されたとの事でした。
自律神経失調症はストレスが大きな問題となる事は、皆さんよく知っていると思います。
でも、同じストレスを受けていても、自律神経失調症になる人とならない人がいるのは何故でしょう?
また、本人が大きなストレスを感じていなくても自律神経失調症になる人もいます。
人間には、自律神経系・免疫系・内分泌系を一定に保つホメオスタシスが備わっています。
ホメオスタシスを保つ土台はアロスタシスと呼ばれており、これが細かく反応し、身体を生理学の範囲に収めています。
生理学の範囲に収められた身体は病気にはなりません。
生理学の範囲から逸脱すると病理学へと変化するのです。
アロスタシスは、身体の内外からの刺激に対し、常に反応しています。
その反応による負荷をアロスタティック負荷と言います。
反応によるアロスタティック負荷が積み上がると、生理学の範囲を逸脱します。
そして生理学の範囲には個人差があります。
それは今までのストレスを乗り越えてきた経験や病気・怪我・年齢によります。
つまり個人の生理学はその人の歴史により左右されるのです。
生理学の範囲が狭まっている人が、アロスタティック負荷が積みあがった状態で生活していると、引き金となるストレス(これは些細なストレスかもしれません)を受けることにより、容易に生理学の範囲を逸脱してしまうのです。
そこに自律神経失調症を発症する人としない人の差があるのです。
実はこれは自律神経失調症だけでなく全ての病気や症状に当てはまります。
環境を変化させる事によりストレス自体を軽減させる事は必要ですが、生理学の範囲を広げることも同じように重要です。
小さなコップでは、たくさんの水は受け止められません。
ではどのように生理学の範囲を広げるのか?
オステオパシーはそれを可能にします。
続きます。
東京・中野の整体・整骨と鍼灸 ロアン鍼灸整骨院 院長